ファッションへの興味は十代がピークだっただろうか。ピークを過ぎてからは無難に合わせやすい色や形の服を選びがちだった。
「よし、年を取ったらせめて明るいキレイな色の服を着よう」と思って過ごすうちに、いつしか充分に年を取っている自分に気がついた。そこでまずは部屋着に着手しようかと、昨年あたりから思ってはいるものの…。
今夏のセールで同じような部屋着用パンツを衝動買いしたように、行動パターンはなかなか変えられない。
寒くなり、グレーのシャツにグレーの上着を重ねている現実に「ねずみの兵隊か!」とツッコみたくなる今日このごろ。
バレエ「くるみ割り人形」で例えるならば、目指すのはクララ、金平糖の精さんなのに。いや、発表会で何度か踊った花のワルツ軍団かしら。
唯一の救いは、先月メルカリで購入したルームソックスがかわいいことである。
メルカリでは中古品だけではなく新品も数多く売買されている。こちらは出品者さんの手編み作品だ。締めつけ感ゼロで肌に密着しないのに温かい。見た目も機能性も気に入っている。
もし頭の先からつま先までお気に入りで揃えられたら、ウキウキワクワクな毎日だろうか。そんなバラ色の余生を送れたらどんなにいいだろう。
とりあえず今は、つま先だけ満足している。