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昨年のアナログ絵日記より/

私の糸切り歯(犬歯)が乳歯だと知ったのは20代の終わりごろ。
故郷の歯医者にて、他の歯の治療のついでに告げられたのであった。

歯医者によると、
「永久歯欠如(欠損)で根がほとんど無い」
「よって差し歯は無理」
「必ずいつか抜けるだろう」
「選択肢は部分入れ歯かブリッジ、インプラントのいずれか」
だった。
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部分入れ歯?(見た目が!)
ブリッジ?(なんかこわい!)
インプラント?(高額!)
私は乳歯の抜けた未来が想像できなくて不安を覚えた。


同時に乳歯が虫歯だと判明し、白い詰め物で長年過ごすことになった。

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住まいを移すたびに歯医者も変わったが、どこへ行ってもほぼ同じことを言われた。
乳歯の余命宣告を受けているようで、不安は増していった。

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親知らず - いくらなんでも35歳より流用

怖くてしっかりさわって確認したことはないが、乳歯は根が不安定だった。
硬さを問わず、できるだけ歯に食べ物があたらないよう気をつけてきた。もちろん糸なんか切れるはずもない。

そんな生活を続けること20数年、ついに終わりを迎えた。
昨年の暮れ、ついに乳歯が抜けた。正確にいうとわずかな根を残して折れた。

 

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原因となったのはリンゴなのかパンなのか…この際どうでもいい。
きっと乳歯は寿命を全うしたのだ。
ずっと恐れていた未来が、ついに来たことを私は受け入れた。(完)

 

折れた乳歯を手に、かかりつけの歯医者で相談したときは、もう諦めの境地であった。
だから歯医者の女医先生が「仮にですよ…」と、乳歯が生きる可能性もあるかのようなアプローチをしてきたことは意外だった。

つづく


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