あらすじ
1984年のイギリス。炭鉱不況に喘ぐ北部の町ダラムでは、労働者たちの間で時のサッチャー政権に対する不満が高まり、不穏な空気が流れていた。
数年前に母を亡くした11歳のビリーは、炭鉱で働く父と兄、祖母と先行きの見えない毎日を送っていたが、偶然彼に可能性を見出したバレエ教師・ウィルキンソン先生の勧めにより、戸惑いながらも名門ロイヤル・バレエ・スクールの受験を目指して歩み始める。
「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」 | 梅田芸術劇場より一部編集
無事にお二人とも普通の頭だった
ちなみにシモテ観客席は俳優たちが何度も近くを通った
5人のビリー役・バレエ経験者はひとりだけ
2015年11月から開始された育成型長期オーディションによって1,346人から選ばれた5人のビリーが交代で主役を務める。
5人のうち加藤航世くん以外はバレエ経験がない。それぞれ他のダンス経験はあるものの、1年半でバレエをここまで踊れるようになるのかと驚愕した。やはり一流の指導陣に加えて目的が明確だと上達が違うのだろう。
<コーチ協力>◆バレエコーチ:K-BALLET SCHOOL◆タップコーチ:Higuchi Dance Studio◆アクロバットコーチ:コナミスポーツクラブ
チケット購入時、子役のキャストスケジュールは未定だったので、誰かしら…と楽しみにしてた。
↓当日の配役表
未来和樹くんでした
歌い出すと「え?」と一瞬息をのむほどの澄んだ美声だった。オーディションの条件のひとつが「声変わりしてないこと」だったので、中学3年生の未来くんは年齢的に一番の心配ごとだったかもしれない。
ビリー役のために始めたバレエも荒削りだけど丁寧なポジションで、
「田舎のバレエ教室でいちばん上手な子」感がよく出ていた。募集時にバレエ歴は問わないのはそのためだろうか。
感想・印象に残ったシーン
子役の熟練した演技
どうみても就学前と思われるスモールボーイからバレエガールズまで安定している。ひとりだけ一瞬セリフを噛んだような気がしたので、口パクじゃないんだと安心したほど。
ビリーの親友・マイケルとのコミカルで華やかなダンスシーン
マイケル役もかなりのエンターティナー性を要する重要な役で、小学5年生の山口れんくんは見事に演じていた。二人して女装して踊るシーンはずっと笑顔で楽しそうだけどタップダンスが激しい!
お父さん役・吉田鋼太郎さんの博多?弁
舞台はイギリスでありながら田舎感を出すためか、全員が博多弁。とくに吉田鋼太郎さんの博多弁は『花子とアン』で演じた石炭王を彷彿させ、「石炭王だったのに今はストライキ中の炭鉱夫か…」とふと思ってしまった。それにしても舞台俳優だけあって全くスキのない演技。
お母さんが遺した手紙を読む美しい歌声
未来くん、ウィルキンソン先生役・島田歌穂さん、途中からは幻影のお母さんも加わり、涙なくしては見られなかった。
子どもビリーと大人ビリーの幻想的なバレエシーン
オールダービリー役・栗山廉さん(Kバレエ)の控えめかつ上品な舞いが、子役を引き立たせるようでよかった。
ビリーを見送る炭鉱夫たち
旅立つビリーを見送る炭鉱夫たちのヘッドライトが、暗闇でビリーを照らしたまま消えてゆくシーン。プレスには未発表なので舞台で観てほしい。
楽しいフィナーレ
島田歌穂さんが短いチュチュでかわいらしくポーズを取る姿が、ロビンちゃん(「がんばれ!ロボコン」)を思い出させた。
マイケル役・山口れんくんの女の子度が増して、最後には「いい部屋ネット」CMの女の子(桜井日奈子さん)にしか見えなかった。
キャストによって微妙に振りが違う
ビリー役でアクロバットが得意な子は振りに宙返りが入る。未来くんはバック転のみだったが、バレエのシェネにスピード感があった。
ウィルキンソン先生は、Wキャストの柚木礼音さんの方がちょっとクールでダンスシーンが多いそう。ビリーが母親を投影させてしまう島田歌穂さんの愛情あふれるウィルキンソン先生もよかった。
同じキャストでも印象が違う
ビリー役を同じキャストで東京公演開始時と終盤に観たかたの感想によると、熟練度が違ってその成長に驚いたそう。私もそんな気がして終盤のチケットを取ったのだった。
大阪公演ではより熟練した舞台が期待できるのでは。 アンサンブルの皆さんもよく揃っていて完成度が素晴らしかった。
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